1 

スリーピーバター    作詞作曲 KNOTS 編曲協力 草見沢繁

(笑い話に差し替えたい)

粘り気のある眠さに二人は溶けた
ふわふわの甘い卵黄に包まれていくみたい

「今」に飲まれた君は指の先だけで
僕と絡まりながら泡のように眠る

ゆっくりとフライパンは
弱い火であたためられて
ゆるやかに溶けていく
バターの匂いは君の夢にまで

届きそうな気がしてる

甘いままで二人の
舌の上で踊るような
恥ずかしい時間に

食べたら滲む笑顔
部屋に閉じ込めたら
ずっと溶けていたいな

君はまだ眠ってる
君はまだ眠ってる

そうさ ずっと

届きそうな気がしてる

甘いままで二人の
舌の上で踊るような
恥ずかしい時間に

いつかは僕らもきっと
世界に食べられていく

その時まで二人で
甘いバターのように
眠って溶けていたいな

君はまだ眠ってる

(笑い話に差し替えたい)




2 

優しい指  作詞作曲 KNOTS

別れの季節っていつ
とりあえず
暑さも寒さも
感じることはできなかった
ああ ああ

予感があったのが
よかった
いや
かえってそれで
それで
だめになっちゃったのかも
ああ ああ

手を伸ばせば
そこにまだ
あなたは居たし
触らせてもくれた
只のキマグレでも
優しい指に
嬉しさと悲しさで
頭の中は一杯になった

あなたを許さない
ずっと許さない って
悪口言うことで
結局ずっと繋がっていたかった
キマグレで
大丈夫なら
こっそり抱きしめたりして
白くなったハートすら
また一緒の色になればよかったのに

もうあなたは
ずっと遠くて
届かない
触れられない
どうしたらいいんだろう
馬鹿だから
あなたならとか
思ってたのに


髪の毛
指先

髪の毛
指先

手を伸ばせば
そこにまだ
あなたは居たし
触らせてもくれた
只のキマグレでも
優しい指に
嬉しさと悲しさで
頭の中は一杯になった

あなたを許さない
ずっと許さない って
悪口言うことで
結局ずっと繋がっていたかった
キマグレで
大丈夫なら
こっそり抱きしめたりして
白くなったハートすら
また一緒の色になればよかった

何度か言ってくれた
湿った愛の言葉より
一度も言われなかった
乾いたさよならがこびりついた

剥がせば 心には
ずっと痕が残るでしょう

最後に届けばいいな
お願いだからわたしのこと

忘れないで
忘れないで
思い出して
おねがい
おねがい

あなたのいない世界
あしたはまた
月曜日





眠り姫問題   作詞作曲 KNOTS

多分これは夢だし
靴下を脱いでしまおう
伝い落ちていく赤は
茨が勝手に吸って育つ

多分あれは嘘だし
樹の下で林檎を食べよう
伝い落ちていく汁が
胸の先を撫でて染める

一番都合のいい時に起こしてね
何も心配要らないって言って
あたしに本当に起こってしまったことなんて
永遠に教えないでね
それで君を好きになるから

満月の光
肌で反射させながら
あたしは指折り数える
確率をただ考える
暗算できない頭になってる
暗算できない頭になってる
暗算できない体になってる

一番都合のいい時に起こしてね
何も心配要らないって言って
あたしに本当に起こってしまったことなんて
永遠に教えないでね
それで君を好きになるから

目を閉じる
多分これは夢なのに
目を閉じる
多分これは夢なのに





ショートカットファンクラブ  作詞作曲 KNOTS

テレビをひっくり返したら
いくらでもでてくるような
大安売りの結末が 今目の前に

ここまでくると笑えたわあ
鼻水声でなにいってんの

わかりやすいままの勢いでいこう
髪をきって
服も買って
素敵になって

彼が残した傷跡は
ああきっと消えないや
優しくなでて油断させたぶんだけ

人はいつでも変われるのさ
きっかけは悲しくてもね

short cut funk love
short cut funk love





うそつきでもすき  作詞作曲 KNOTS

僕らは嘘を つきあわせて
粘土のように あそんだ

それは僕らが
どうしても欲しかった物のかたちになって
ふたりは笑った

一緒に壊したら 指先が震えた
「たのしいね」とか 君の口は言う
この土でついた染みは二度と取れないことだって
ちゃんとわかってるのに

君はつく そんな嘘を
君は重ねる そんな嘘を
優しくも 酷くもない
僕と世界と歯車を
ただおちょくっては舌を出すような
そんな嘘を

うそつき
でもすき

「もう会わないよ」と離すその手は
さいごに少しだけ指先がかかった
正直すぎる夕焼けに
光照らされて 見透かされながら

君はつく そんな嘘を
君は重ねる そんな嘘を
優しくも 酷くもない
僕と世界と歯車を
ただおちょくっては舌を出すような
そんな嘘を

うそつき
でもすき





アクースティック  作詞 作曲 KNOTS

秘密で溶ける服を着ていた
君はそれを明かす前に自分で脱いだ
優しい音で隠してた嘘
僕ら歪んだ音で全部吹き飛ばした

ブレーカーが落ちても
ちゃんと見えた
月の光を跳ね返す肌が見えた

ああ なんか君のこと
可愛いっていう言葉に
閉じ込めたくないくらい可愛い

ああ なんか君のこと
愛しいっていう言葉に
閉じ込めたくないくらい愛しい

そんなこと僕は思ってた
そんなこと僕は思ってた

本当の事を吐き出せなくて
僕ら魔法の力に頼ってしまった
小さなずるさも増幅されて
君は後戻りできなくなってしまった

悪用を禁じられたステッキを
笑顔で振る
今が全てと言いながら

ああ なんか君のこと
可愛いっていう言葉に
閉じ込めたくないくらい可愛い

ああ なんか君のこと
愛しいっていう言葉に
閉じ込めたくないくらい愛しい

ああ そうさ君だけは
けして触れてはいけないなってことも
わかってた

そんなこと僕はわかってた
そんなこと僕はわかってた
わかってた
わかってた
わかってた
わかってた
わかってた
わかってたのに