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田舎の大学生   作詞作曲 knots

二両の電車は走る
送り出した風をうけて
煙は一様に 流れてく

永遠を考えるほどに
空気が肺をひたして
逆に
心はたわんだのだった

モヤシが焼ける 匂いと
僕らが 僕と 君 だったころ
ビールに届かない発泡酒で
思い出しては 切なくするよ
思い出しては 切なくする

二両の電車は走る

僕らの車を 
拾い上げてくような音を たてて

カーステレオは響いて
耳を揺らすよりも
僕らのこれから おもいだす 
きっかけだけになってくような
ふたりのドライブ

時間は僕らの心の皮を
それでもやさしく剥いてくれるぜ
三分間のギターポップが
流れている間だってもちろん
流れている間だって



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アイシンクアンシン  作詞作曲 knots

気にしないで
気にしてほしいけど
全然大丈夫
ほんとは違うけど

隣に誰もいないのを
何で自分のせいにしないと
いけなくなったんだろ

I think 安心

「嘘じゃない」
そんなことじゃない
めくれかけているエブリナイ
「わからない」
そんなことはない
「慣れる」と「飽きる」は 違うぜ

眠れなくはない でも 眠りにくい日は続く





ラビットフォーゲッツ   作詞作曲 knots

寂しくないから死なない
寂しくたって死ねない
そんなこと
君の隣で考える
僕の贅沢さが寂しい

本当の孤独は知らない
夜らしい夜がどんなだったかも
忘れてしまったよ

どこを探しても僕しかいない空間を
忘れてしまったよ

思い出そうとするほどに僕は
君の隣で寂しい
気遣う言葉に 君の気遣う言葉に
笑いを繕った

ああ もしこの手が魔法になって
触れたもの全部消してしまうとしたら
一番最初に君に触れてしまいそう





キミリサイクル   作詞作曲 knots

こころ敗れ去った おんなのこの
新しいひと 近くのひと
こころなだめあった あとこのこの
涙を拭うふり こころまで触った

やさしさとからだを 混ぜ合わせて
やらしさになって それだけのおとこのこ

キミリサイクル

千切れたこころを 繋ぎ合わせる
笑えるくらいに 彼なりに
ばらけたジグソー 嵌めるのが好き
ただそれだけの おとこのこ

やさしさとからだを 混ぜ合わせて
やらしさになって それだけのおとこのこ
せつなさとからだを 混ぜ合わせて
せわしさになって されるだけのおんなのこ





ガールミーツボーイ   作詞作曲 knots

おなかが空いてる時に買い物しちゃいけない
つまらないものまで手に入れてしまうから
彼女が彼に出会ったのは
もう二人がおなかいっぱいの時だった

彼女も彼も おなかはいっぱい
これ以上何もいらないはず
彼女も彼も おなかはいっぱい
どうしてなんだろうね 二人は出会った

ガールミーツボーイ

隣で眠ってる くだらない肉を
彼女が腐らせたら ダイエットの始まり
素敵な彼には 下剤を飲ませよう
どうしてなんだろうね 二人は出会った

おなかが空いてる時に買い物しちゃいけない
つまらないものまで手に入れてしまうから
彼女が彼に出会ったのは
もう二人がおなかいっぱいの時だった

ガールミーツボーイ

隣で眠ってる くだらない肉を
彼女が腐らせたら ダイエットの始まり
素敵な彼には 下剤を飲ませよう
どうしてなんだろうね 二人は出会った

彼女は走った 彼に会うために
腐った肉には 何の未練も無い
たくさん走れば おなかも空くはずさ
どうしてなんだろうね 二人は出会った





海沿い   作詞作曲 knots

いいと思うよこういう天気は
ぐるぐるまわった僕らは笑うんだ
いろんなことに疲れやすいから
釣った魚を焼いて食べるんだ

香ばしい匂いに誤魔化されながら
何かを無くした僕らは笑うんだ
海の近くに生まれてよかった
人はずっとは泳げないから

あの空を飛ぶ飛行機に
有名な立派な人が乗っていて
偉そうにこの海を見下ろしてても
この海は僕らのもの

泳がないのは 溺れたくないから
そんなことを 海を見ず 何を見て言う
何を見て言う

潮風が 胸を 刺して

あの空を飛ぶ飛行機に
有名な立派な人が乗っていて
偉そうにこの海を見下ろしてても
この海は僕らのものさ

僕たちが今までにやってきた悪いことが波で洗われる そんな日は
来るわけないけど

この海は僕らのもの





テレパステレパス   作詞作曲 knots

不安の種を食べたあの子 発芽して
超能力を手に入れてしまった
君の目を見つめたとたんに涙を流して
そのまま倒れてしまって
かわいそうな眠り姫に

もしかしたら
わかっちゃったから
かも

いじわるのついでに私は
あの子の涙を舐めて遊んだ
そしたら流れこんできた
気絶したあの子の悲しいイメージ

もしかしたら
わかっちゃった
かも
かも

君の目 みて テレパシー
あたしも涙溢れた
すべて伝わってきた
舌を這う秘密の味も

君の心の奥の奥
最悪な悪魔を見つけてしまった

テレパステレパスルルルルルー

止まらない滴を口で受け止めて
最後の舌を君へ繋げたら
きっと君にもわかるようになる
あたしの心の奥の奥の奥
君の口が紡いでた
甘い甘い甘い世界を
どれだけ信じていたかを
解け合うほど つながりたいと
さっきまで
おもってたのに おもってたのに
おもってたのに おもってたのに
おもってたのに
のに
のに








や く そ く が
ち が う


あー そんなことおもってたんだあ
へー そんなことやってたんだあ

君の目 みて テレパシー
あたしの目 逸らさないで
悔しいくらいあざとい
体を這う秘密の舌
他の味も知ってるでしょ
だから目 逸らさないで
君の目 みて テレパシー
あたしの目 逸らさないで

君の心の奥の奥
最悪な悪魔をみつけてしまった
君の心の奥の奥
最低の悪魔をみつけてしまった

テレパステレパスルルルルルー





ヘルメンマロンティック   作詞作曲 knots

目の焦点を君の奥へ
君の気持ちの奥の奥へ
気づいたらあさっての方向
「どこをみてるの」と
柔らかいティッシュの箱で叩かれて
嬉しそうにしてる あたしが
求める君は
ほんとに遠い

メルヘンティックでもないし
ロマンティックでもない
あたしと君は
可笑しな部屋の匂いだけを嗅いでいる

背中に落ちてる本を取るふりして顔を埋めた
君は笑ってごまかすから
世界が終わるマンガを読んだ

目の焦点を君の奥へ
君の気持ちの奥の奥へ
気づいたらあさっての方向

昼下がりの毒を飲む

先に体がくっつくと 心はもうくっつかないことを
奇遇なんだけどあたしたちは
知ってるから

大きくなった風船は
これ以上は膨らませらんない
割れない様に撫でながら
懐かしい君の吐いた息の匂いも感じていきながら
しぼんでいくだけなんだけど
悔しいくらいに愛しくて
うっかり抱きしめそうにもなる

色んな人が優しい言葉をかけてくれたのに
短い君の言葉だけが 胸に残るなんてずるいよ

メルヘンティックでもないし
ロマンティックでもない
あたしと君の
可笑しな世界は
もう少し続くから
世界が終わるマンガは置いた
ぐるっとまわって
また明日





アクアリウム  作詞作曲  knots

君はまるで魚なのに 君の心の中には
魚の群れよりも 大きな青い海があって

それにくやしくなった僕は
嬉しいふりで もがいて 泡をつくった

ああ 僕は今まで 心の中の水槽に
大切な人を閉じ込めていたんだ
閉じ込めていた君に気づかされた

僕はまるで魚なのかな 僕の心の中には
魚の群れを避け 小さな流れる力だけがあって

それにくやしくなった君は
切ないふりで もがいて 泡をつくった

青い水に光が差して
二人の影をさらっていく
触覚だけのこの世界で
手を離したら
君は大きな海へ 旅立っていく

ああ 僕は今まで 心の中の水槽に
届かない世界を 見ていただけなのかな
あの大きな海 君と 太陽を 飲み込んでいく

アクアリウムで 君の事を
深く 深く 想った
手をつないで あたたかさだけで
すべて誤魔化して いたんだった
アクアリウムの 中で 泳ぐ
深く 深く 潜った
僕の中に あるはずの海は
いつか君と 溶け合えるかなあ

溶け合えるかなあ

さよなら さよなら



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ショートカットファンクラブ  作詞作曲 knots

テレビをひっくり返したら
いくらでもでてくるような
大安売りの結末が 今目の前に

ここまでくると笑えたわあ
鼻水声でなにいってんの

わかりやすいままの勢いでいこう
髪をきって
服も買って
素敵になって

彼が残した傷跡は
ああきっと消えないや
優しくなでて油断させたぶんだけ

人はいつでも変われるのさ
きっかけは悲しくてもね

short cut funk love
short cut funk love



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うそつきでもすき  作詞作曲 knots

僕らは嘘を つきあわせて
粘土のように あそんだ

それは僕らが
どうしても欲しかった物のかたちになって
ふたりは笑った

一緒に壊したら 指先が震えた
「たのしいね」とか 君の口は言う
この土でついた染みは二度と取れないことだって
ちゃんとわかってるのに

君はつく そんな嘘を
君は重ねる そんな嘘を
優しくも 酷くもない
僕と世界と歯車を
ただおちょくっては舌を出すような
そんな嘘を

うそつき
でもすき

「もう会わないよ」と離すその手は
さいごに少しだけ指先がかかった
正直すぎる夕焼けに
光照らされて 見透かされながら

君はつく そんな嘘を
君は重ねる そんな嘘を
優しくも 酷くもない
僕と世界と歯車を
ただおちょくっては舌を出すような
そんな嘘を

うそつき
でもすき



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夕暮れ故意に置く  作詞 草見沢 繁 作曲 knots

泥のお団子頬張るふり
「おいしいよ」ってブッて言って
今のうち 今のうち

僕の奥さんを転がす口
「もういいよ」ってお手々振って
今のうち 今のうち

知らない明日が見え隠れ
暗くなる前に家帰れ

持ってって持ってって泥だらけ持ってって
のびていく影の中五目ならべ白打って
白い手で白い手で寝ころんで白い手で
単純に
パパママで終わらせて

花切り刻んで一品料理
「あーんして」でパクッてして
今のうち 今のうち

穴行き来して一気におくに
「あたし見て」ってラヴってして
今のうち 今のうち

いらない「あたし」を死にさらせ
朝になる前にポンで抱け

置いてって置いてって花びらは置いてって
朝焼けが照らし出すその前にその手で
その手でその手で寝転んでその手で
ダンスウィズミィ
ママゴトで終わらせて
って無理で
ってブッて

夕暮れママの「ゴハンよ」でバイバイ
それすら無い
田んぼには蛙 赤とんぼ
朱色にやさしく 飛行機雲
それすら無い